これでいいのか日本の食料事情


■ 移住定住  2016/10/10

最近縁があって、地方への移住定住促進のお手伝いをしている。

地方の自治体の担当者たちは、東京に行ってイベントに参加する。
そして、成果がないとぼやく。

話しを聴けば聴くほど、それでは成果が出るはずがない。

まずはターゲットを絞る事と、地域の特徴を全面に出す事を勧める。
その他住居や細かな条件はあるが、まずはどんな人に来てもらいたいかを絞る事である。

何処かで聞いたフレーズである。
結局競争相手が多い場合には、マーケティングが必要になる。

沙漠に水を撒くのではなく、鉢にキチンと限られた水を撒く。

相談人数は大幅に減るが、本気度が違う対象者が相談に来るはずである。

地方の受け皿は農業が圧倒的に多い。
こちらも、どんな農業をやってほしいか明確にする事である。

収入がどの程度見込めて、どんな楽しい事があるか。
面倒な事はそれから説明すれば良い!

地方への移住定住には色々なチャンスがあるが、
依存ではなく、地頭で考える力が必要となる。

今みたいな時代にはこれが一番難しいかも知れない。

■ 限界  2016/09/18

先日ある加工品を作っているおばちゃんに、
栗を作っている生産者を紹介してほしいと問い合わせがあった。

そして、知り合いの生産者に繋ごうと思ったら、
その生産者が、今年から自家消費分以外は作らないという答えであった。

栗は果樹で、手を掛けないとすぐに虫に食われて、ダメになってしまう。
結果的に、自宅分意外は伐採という流れが一般的である。

こんな事が全国で起っている。
その分を海外産にシフトする事で本当に良いのであろうか?
グローバル化ではそれが正しい答えである。

では道義上はどうか?
そろそろ地方は限界に来ている。

グルメ番組ばかり組立てないで、こういった内容をメディアは伝えてほしい。
限界は徐々にではなく、一気に来るのが、世の常である。

■ 無関心  2016/09/15

私の地元、東松山で痛ましい集団暴行事件があった。
被害者の少年は死亡してしまった。
現場は子供の頃良く釣りに行った場所なので驚いた。

子供の社会は大人の社会の縮図だ。
自分がいじめられる事を避けるため、誰かを集団でいじめ、
自分が犠牲になりたくないという構図である。

人の痛みを分かろうとする前に、自分の痛みを避ける。
これでは理性のない動物と全く同じである。

根底にあるのは、相手に対しての無関心と、想像力の欠如である。

それは、食品でも全く同じである。
商品の評価は、安いか高いか。
誰がどんな思いがあって、苦労をして作り上げているのか、
全く見えない関係が続いている。

スーパーの店頭では、顔の見える農業といって、生産者の写真を貼ってある。
こんなうすっぺらい関係では、何も問題は解決しない。

今のままの経済至上主義では、産地は潰れて、結局被害を被るのは都市近郊の消費者である。

そんな事まで考えて食べている消費者は皆無かも!

何事にも想像力を働かせ、周りの人たちに関心を持ち、
生きて行くのが、人間なはずなのに、どんどん退化しているようである。

無関心とは、自分にしか興味がないという事かも知れない。
亡くなった少年にはご冥福をお祈りしたい。

■ 敗戦  2016/08/15

戦争に負け、71年が経った。

グローバル経済の行き着くところは、戦争である。
極論であるが、世界が成熟すると、次は破壊となる。

常に、痛みを伴うのは一般市民である。
特権階級の人たちは、体もお金も国境を超えて行く。

弱い人たちからは、土地もお金も収奪をする。
それは歴史を見れば明らかである。
残念ながら歴史は繰り返す。

戦を繰り返さない方法がある。
それは、民が陽動作戦に踊らされないという事である。

それには、食料とエネルギーの確保が重要となる。
経済最優先を選ぶ事は、ちょっとした世界のパワーゲームで食料やエネルギーが
滞る局面が考えられる。

それから自給率を上げろといっても不可能である。

政治家にもう少し歴史を学んでほしいものである。
歴史から学び、繰り返さない事も重要である。

■ おとしまい  2016/07/29

住宅の供給がオリンピックまで好調のようだ。

先日近所の農家で、後継者もいないので、
土地を売ろうと建物を更地に戻したそうである。

解体費用と土地の売買価格がほぼ同じだったという。

建てるのは良いが、団塊の世代が死んでしまうと
住宅は大幅に余る。オリンピックの反動と重なる可能性がある。

農地転用からの住宅は、利益率が高く不動産屋も狙っている。
一度宅地にしてしまったら、田畑に戻すのには相当なコストが必要である。

ビジョンなき開発は未来に大きなツケを残し、若い人たちの負担となる。

分かっているのに、ひたすら経済優先で走り続ける。

高層マンションは誰が壊すのか?
資産から負債に変った時に、誰がおとしまいを付けるのであろうか。

農地転用で乱開発する、ショッピングセンターやアパートは一体どうなるのか?

農村部に住んでいて心配になる。
歴史を見れば明らかで、戦争の一番の理由は食べ物である。

いつまで海外に食べる物を頼るのか! このおとしまいは誰が付けるのであるか・・・

■ ポケモンGO  2016/07/26

巷ではやっている、ポケモンGO
今年の流行語大賞になりそうな勢いである。

世界の一部がハリボテ国家になっている。
猪瀬元都知事が日本全体がディズニーランドだといっていた事があった。
こんな娯楽に溢れた国は、世界地図で見たらほんの一部で、
それ以外の国は、今日のご飯も食べられないところが圧倒的に多い。

政治やメディアは強い者の味方で、
弱いところにはフォーカスをしない。

スーパー富裕層が更なる富を得て、
表舞台には出て来ない、貧しい人たちは更に搾取される。

歴史を見ても、ずっと繰り返されている。
日本は地政学的に特殊な歴史があるが、
最近は、グローバルスタンダードという偽物の価値にすっかり感染して、
自分で考える思考を奪われているようである。

ポケモンGOは結局人間が考えた遊びで、
自然はもっと面白い遊びを提供してくれる。

目先の快楽も良いが、もっと崇高な面白さを追ってほしいものである。

■ 選挙  2016/07/10

今日は参議院の投票日となっている。

若者がインタビューで、自分が行っても変わらないのでというコメントをする。
本当にそうなのか? 

それだから、政治家は若者には関心を持たないで、
人口が多く、投票率が高い高齢者に向けた選挙を展開する。

子育てや、奨学金等は項目に乗せるが、小粒な対応となる

結局、関係あると気付いた時には、自分たちの首は回らなくなる。

世の中で、そう簡単に意見が通って、実現出来る事なんて、
殆どないのではないか?

バーチャルにこもるのではなく、町に出て議論をして、
選挙に足を運んでほしい。

食もそうであるが、気付いた時には、遅いのである。
想像力を働かせ、行動してほしい。

行動しないのであれば、将来沢山の税金を払う事、
食べる物が手に入らなくても文句をいわない事である。

行くも、行かないも責任が発生する。
覚悟を持って生きてほしい!

■ 屋号  2016/07/09

海賊とよばれた男という本がベストセラーになった。

主人公は実在する、出光興産の創業者、出光佐三氏である。
石油業界はコモディティ化が進み、規模の原理となり、
合併が進んでいる。

その中で、『出光』の屋号がなくなるかも知れない状況となっている。
創業家は残してほしいと主張をしているが・・・

佐三氏が生きていたら、あっさりそんな産業は売り払って、
新しいビジネスに挑戦しろと主張すると思う。

戦前・戦中・戦後を支えて来た、チャレンジ精神、
その根本は、欧米列強から受けた理不尽を跳ね返したという気持ちが強かったと思う。

実は今も根本には、欧米から受けている理不尽は沢山ある。
日本人が本気になるのは、食べる物がなくなってからかも知れない。

想像を働かせ、次の手を打てば良いが、
どうも想像力の欠如がこの国には蔓延している。

名は体を表すというが、魂のない名は必要ない。
そう考えると、農業は重要な産業である。

■ 儲ける  2016/07/08

儲けるという字を分解すると、信者という文字になる。

農業が衰退して行く原因の1つで、儲けが少ないという事がある。
人間の潜在意識は、思ったようになってしまうのだ。

先日ある漁協にお邪魔した、1人当たりの売上は、1,000万円近いという。
後継者は全部の世帯でいるという。

農業は儲けがあり、誇りがあれば後継者は育つのである。
いつも大変で儲からないと愚痴をいっていると、
そういう人間になってしまう。
それを見ている後継者は、農業はやらないと決めるのである。

儲けるとは、信者=ファンを作るという事で、お客様に喜んでもらうという事である。
卵が先か鶏が先か、儲けようと思わない限り、奇跡は起きない。
可能性を生かすのも、諦めるのも本人次第である。

■ グローバル  2016/06/30

グローバルという言葉がある。

これは一体どんな意味があるのか。
一般的には、世界的なという意味で使われている場合が多い。

一番分かりやすいのは、東京ではないか。
生粋の東京人はごく1部で、地方出身者が殆どを占めている。

何故か自分の田舎を語ろうとはしない。
そして、決まって標準語で語る。
その点関西人は関西弁丸出しの場合が多い。

東京が優で、地方が劣と思っている人が多いから、
自分たちの故郷の言葉を使わないのである。

これが、日本の大きな問題点である。
自分の生まれ育ったところ、自分自身の自慢が出来ないからである。

外国に行けば、お国、自分のアピールをするのがスタンダードである。

世界なんて、田舎が寄り合って出来ている。
食も、地域の歴史や必然性があって、その地域に根付いている。

グローバルスタンダード、一部のお金持ちが都合良く作った言葉である。
もって自分たちのお国自慢をしたら、世界はもっと生きやすくなるのに!

■ 民主主義  2016/06/29

イギリスの国民投票の結果が出た。

EU離脱という結論であった。
数%の違いである。

議会制民主主義も間接的で、スピードが遅い問題はあるが、
直接の国民投票もリスクが多いと感じた。

直接投票は、半分近くの人たちの気持ちを無視する事になる。
イギリスがEUから抜けたところで、経済が上向く要素は見当たらない。

逆にリスクの方が大きい。
大英帝国が栄えていたころは、植民地という搾取する地域があったから成立した。
今は、植民地が独立してしまい、次は代理戦争を起こし、武器で儲けた。

そろそろビジネスモデルが成立しなくなって来ている。
金融もそろそろ行き詰って来た。

次なる搾取は・・・

日本もそろそろ、アメリカに搾取され尽くされる前に気付く必要がある。
武器よりも、食料とエネルギーは安全保障で一番大切である。

この国は、食料が滞らない限り、国民は遊園地気分で毎日を過ごすのかも知れない。
世界はかなりきな臭くなっているのに・・・

そろそろ民主主義も限界のようである。

■ 高齢化  2016/06/23

何処に行っても、高齢化が進んでいる事を感じる。

空家が増え、草が覆っている庭や、道が徐々に増えている。
少し前までは、地域の共有の場所はボランティアなどで、手入れされていたが、
現在の働く世代は、そういう事には関心が薄く、時間が限られているため、
地域は荒れる一方である。

行政もやれる範囲が毎年予算削減で、減っている事を如実に感じる。
そのため、手が掛かる農村部は放棄して、市街地にマンションを借りてしまっている世帯も多い。

そして、農地を潰し、空室率が上がっているのに、アパートや商業施設へと変わっている。
働くとは、側を楽にするという意味がある。

沢山働く、沢山買って、沢山捨てる・・・・
これが本当に豊かなのか? 

地球温暖化は待ったなしである。

高齢化そろそろ真摯に向き合う時だと感じる。

■ 地域おこし協力隊  2016/06/21

地方創生の目玉の1つである。

都会から、地方へ人材を送り込み、
そこで色々な活動を後押しする。

自治体はお金の持ち出しがないので、
積極的に活用する自治体が多い。

しかし、費用対効果は? 疑問に思う事が多い。
事業期間は、国から給与が支払われるため、
その後がどうなるかである。
元を正せば、これは全て税金で賄われている。

地方で稼ぐという事は、都会と違い選択肢が限られる。
しかも、地域おこし隊のように、自治体が無責任に使っている場合が多く、
目標も曖昧で、自由に活動している場合が多い。

そこから、制約の多い一般企業に勤めるのは厳しいと思う。
起業は一部のモチベーションの高い人材を除けば不可能である。

ビジョンがないところに、成功はない。
一億総活躍社会から、一億総無関心社会へ突き進んでいるようである。

費用対効果、そして長期で考える思考がなければ、結局受入側も、来る側も不幸である。

■ 光と影  2016/06/19

先日、常磐道を北上した。
避難勧告が出ている地域を通っている。

そこで見た風景は異常であった。
道路沿いには、除染した土を入れた黒い袋が積み上がり、
立派で大きな住宅がそのまま荒れていたり、
6年前までは風光明媚な田園地帯も今は荒れ放題であった。

東京が光、福島が影の構図である。

しかし、50年・100年レベルで考えると、
東京の高いビルなどの建物は、立て替えの時期となる。
それは、資産から負債になる瞬間である。

日本各地の豊かな田園地帯が、無機質なショッピングセンターに変るのも同じである。

誰もしあわせになれない社会を、いつまで突き詰めるのであろう。
結局、異常気象で大干ばつに見舞われない限り、変らないのかも知れない。

想像力の欠如がこの国の不幸である。


■ 差別  2016/06/17

イチローの会見を見ていて、感じた事は、本当に悔しかったのだと伝わって来た。
記録が出たのに、環境が違うと一蹴する関係者の態度に腹が立った。

スキージャンプで日本選手が活躍すると、すぐにルール変更をしてしまう時と重なった。

結局アングロサクソンは、日本人(有色人種)を同等とは見ていない。
全てにおいて、見下しているという事である。
それを前提に、色々な事を考える必要がある。

TPPや外交も含め、平等ではないという事を前提に考えた方が、戦略は立てやすくなる。
平等だと考えてやるからうまく行かない事が多い。

安全保障や外交もハンディがあるという事を前提に組み立て方が現実的である。
食料も勿論であるが、輸入国を分散する事がリスクヘッジとなる。

従順ではなく、しなやかに、したたかに世界と渡り合ってほしい。

■ 出口  2016/06/16

地方創生の事業、実は当社も一部を受託している。

この予算を使う時に大切な事は誰が主体でやり、
プレーヤーが誰かなのかを明確にする必要がある。

現実として、中央のコンサルが入り、
役所が丸投げという形が少なくない。

こういった旧来型の事業運営でうまく行く事は少ない。
地方創生で大切な事は、汗をかく地元のリーダーを発掘して、
背中を押し続ける事が、この事業の形だと私は考えている。

そして、雇用を生むためには、販売先が必要である。
経済を動かさない限り、絵に描いて餅で終わる。

二宮尊徳の言葉が沁みる!
道徳なき経済は大罪である。
経済なき道徳は寝言である。

売るという現実を捉えない限り、地方創生は寝言で終わる。

■ 地方創生  2016/06/14

石破大臣が色々PRを勧めていたが、
いつの間にか、1億総活躍社会にすり替わっていた。

予算は付けたが、殆どの自治体が中央のコンサルを使うパターン。
自治体も自分たちの持ち出しではなく、国が全額出すというパターンなので、
組立てがとても甘い事が多い。

現在のような成熟社会において、産業を起こし、雇用を生み出す事は並大抵ではない。
それを外部に委託して形になるはずがない。
結局体裁の良い報告書を出し終了・・・ こんなパターンが多い。

結局うまく行くところには、必ず、汗をかき、泥をかぶるリーダーが存在する。
どの地域も評論家ばかりで、リスクを取り自分で動く存在が少なすぎる感じがする。

ハードの整備より、そういったリーダーを育てる事が重要である。
まずは、やり方ではなく、在り方が明確になれば、人は勝手に動き出すものである。

ロマンとソロバン、地方には可能性が山ほどあるのにな〜

■ 寄稿  2016/06/13

今月も書かせてもらった。

取組み全てにおいて、重要な事は思い込みを外すという事である。

生産者の一番の思い込みは、『安くないと売れない!』
これを外す事、外すために色々な取組を実施している。

何より、らしさを大切にした、6次産業化が重要である。

■ フィルター  2016/06/06

先日ある歌手のコンサートに行って来た。

色々な局が流れ、会場は盛り上がっている。
冷静に聴いて、この歌はイマイチだと思う曲もあったりする。

歌手はある程度売れて来ると、それなりの曲を提供すると売れるようになる。
ファンは、この歌手が作る歌は良いに決まっているという
フィルターを勝手に作るからである。

このフィルターは、思い込みや勝手な期待がベースで作られる。

今の農業のフィルターは、儲からない、大変だというフィルターの色が一番きついと感じる。
それが、楽しい、地域のためになる、儲かるというフィルターにシフトしたら、地方は激変する。

何事も、売れるまでに、凄いエネルギーが必要になる。
歌手も売れる人は一部で、殆どの場合が諦めてしまう。

農業のフィルターは、まず自分が変われば達成可能である。
つまらないフィルターは外し、新しいフィルターに入れ替えると、
違った景色が見えたりする。

■ ガラパゴス  2016/06/01

最近会社で新しいパソコンに入れ替えた。

Windows10に変り、当社の業務ではWindows7の方が使いやすいと感じた。
セキュリティを理由に、どんどん面倒になって来ている。

ここまで、セキュリティが強化されたパソコンを何%の人が必要としているのか疑問である。

オバマ大統領が持ち込んだリムジン、重量は戦車並みだという。
セキュリティを上げるより、犯罪を減少させる事の方が大切だと感じる。

それには、甘いと言われるかも知れないが、お天道様は見ているという、
シンプルな教えを普及させる事だと思う。

日本の農業も一緒である。
環境に良く、人にも良い、何より未来に渡せる事が大切である。
グローバルスタンダードという価値観ではなく、
ガラパゴスこそ価値がある事もある。

平準化する事で、異質を排除して来た事が、18世紀以降の西洋の歴史、
鎖国でガラパゴス化を突き詰めた、日本の文化、
どちらが、民はしあわせだったか!

ガラパゴスがネガティブな意味に使われる事はとても残念である。

前ページTOPページ次ページ
- Topics Board -
BACK