これでいいのか日本の食料事情


■ 地域の6次産業化  2016/05/25

拙い文章を書かせていただき、17回目となった。

最初はどうなるかと思ったが、断られないまま書かせていただいている。
今回書いた内容は、地域の6次産業化の1つの集大成だと感じている。

それぞれの生産者が、得意分野を生かし、それを行政がまとめ形にする。
弁当を通じて、地域の宝物をお客様に知ってもらい、
生産者はお客様を通して、その素晴らしい価値に気付く事が出来る。

規模も大切であるが、私は6次産業化の一番のポイントは、
取組みを通したヒト作り、地域作りである。

■ 歴史  2016/05/14

愚者は経験に学び
賢者は歴史に学ぶ という諺がある。

時代は変わっても、人間の根本的な思考や行動は変わる事はない。

現在の経済は、農業も含め形を変えた戦国時代である。
少なくも、江戸時代のように、安定している時代とは思えない。
強い者がより強くなり、格差は開いて行く。

その次のステージは安定を求める動きとなる。
安定とは、昨日と同じ事を繰り返すのではなく、
イノベーションをしつつ分配の方法を変える事である。

お金がお金を産むのではなく、豊かさの価値を変える事である。
お金の奴隷になるのではなく、お金は道具と割り切る。

政治家やメディアに振り回されないで、賢く生きる事である。
忙しさの本質を知り、大手メーカーが作る添加物だらけの食品ではなく、
地産地消のような、本当の美味しさがある食品を食べると、
病気も減ると考えられる。

歴史は繰り返す、今のままでは人間の社会は壊れる事は間違いない。

■ 衰退社会  2016/05/05

アベノミクスで円高は結局止まらない。

世界を見ても順調なところは殆どない。
日本は比較的安定しているため、円が買われるのである。
それは、長期ではなくあくまで短期的な考え方だ。

日本はこれから坂道を下って行く一方である。
人口減、少子高齢化、歴史に例がない急坂で、
アジアを含め日本を注目している。

しかし、現在の政治や行政の流れは、20世紀型延命社会であり、
根本的な考え方や、行動が全く伴っていない。

大きくシフトしていく場合に、お金が不足するため、
倫理哲学や、文化の醸成が必要となる。

不安を煽り、貯蓄に走ったり、財テクに関心を向けるのではなく、
今日が食べられ、寝る場所がある事に感謝する事である。

どうも悲観論が多いのは、それを煽る事で儲かる連中がいるからである。
どちらかといえば、大きな会社が仕向けているようである。

民は賢く、衰退社会を楽しむ事が大切である。

■ 物差し  2016/04/30

沢山出来た、少ししか出来なかった・・・

話しを聴くと、後者の方が量は多かったりする。
農家の間では、1反の収量が生産者の良し悪しだったりする。

私たちの物差しだと、キロ当たり幾らで売ったという方が評価だと感じる。

物差しは感覚的な部分が多く、人によって違う場合が多い。
具体的に金額や数量に落とす事で、事実が見えて来る。

更に大切な事は、事実から、自分たちの向う方向に合致しているか、
ロジックで組み立てる事である。

夢を叶えるには、霞を食って過ごす訳には行かない、
ロマンとソロバン必要である。

物差しには、単位があって成立するのである。

■ 育ち  2016/04/29

食べる姿を見ると、その人の生い立ちが良く分かる。

食べる事は生きて行く中で一番大切な事である。
人間の欲求の中で優先順位が1番高い。

現在のような飽食の時代は、歴史を見ても奇跡の時代であって、
当たり前の時代ではない。

世界を見回せば、今の状況に首を傾げる事が常識である。

飢饉も過去には沢山あり、沢山の人が亡くなっている。
少ない食べ物を礼儀正しく、混乱がないよう、みんなで分け合って食べていた。
それが日本人の強さであったはずである。

食べ方、行儀はその家のルールが無意識に出る瞬間である。

食べ方が綺麗な人は、決まって仕事が出来る人が多い。
残念であるが、他人は躾をしてくれない瞬間である。

■ 事務所  2016/04/27

2年ほど前に、池袋にあった事務所を閉鎖して、
岩手の仕事に特化する事にした。

そして、ある程度任せられる部下が出来て、
埼玉の会社のテコ入れをする事にした。

支援サイドから、プレーヤーへと進化? 変化?しようと思っている。

色々なところと関わらせてもらって感じる事は、
伸びるところと、そうでないところの差は何かという事である。

実は簡単で、変る気持ちが本当にあるのかである。
ビジネスとは、維持をしようと思えば、守る事よりは、
攻める事が重要となる。

経営者の根本に、素直さと好奇心があるか!
この2点だけである。

しかし、これを持っているクレバーな経営者は本当に少ない。
逆説的に考えると、これがないから相談に来るのかも知れない。

そう考えると、難しい環境で仕事をしているようである。

という事で、支援側から、プレーヤー側に徐々に移って行こうと思っている。
事務所はそのための、城である。

■ イノベーション  2016/04/25

今月前半、日本列島を自分の車で縦断した。
岩手〜埼玉〜長野〜富山〜岡山〜福岡〜宮崎〜高松〜京都〜滋賀〜埼玉〜岩手
合計距離 約4.500キロ 8日間これだけ走ったのは生まれて初めてである。

テーマは、ここ1年で、活躍の場所を変え、仕事の内容を変えた人たちに会った。
未開の地で活躍している人たちを見て、沢山の刺激をもらって来た。

生き方に軸がある人たちは、話しに説得力がある。
地域や仕事の内容が変わっても本質は変わらない。

イノベーションは大きな事を起こす事も大切ではあるが、
小さな変化を恐れない事が大切である。

しかし、環境を変える事は大きなリスクであるが、
生き生きしていた。

私も変化を恐れない姿勢で進んで行きたいと思う。

■ 在り方  2016/04/13

先日、地方新聞の記者さんが取材に来てくれた。
岩手志援を立ち上げた年から、定期的に取材をして下さっている。

6年目に入り、今回インタビューを受けたが、
記者さんが『鈴木さん、何も変わってないですね!』と言われた。

方法は試行錯誤しながら、常に変化を恐れずやっている。
しかし、考え方、在り方は殆ど変えていない。

お客様に喜んでもらい、地域が元気になる。
本気の、笑顔と感動の連鎖を大切にしている。

10年後も形や内容は変わっても、在り方は変わってないと思う。

5年後にはオリンピックも終わり、どんな日本になっているのか・・・
きっと変わらず、私たちは農と食の仕事をやっているであろう!


■ 新年度  2016/04/02

お陰さまで、岩手志援が丸5年となった。

6年目に入り、私自身も仕事のやり方を変える事にした。
軸足を、岩手から関東に移す事を決めた。

残念ではあるが、震災後の岩手は変な方向に進んでいるところが多い。
インフラばかりにお金が回り、本当に必要なところにお金が回っていない。

インフラは整備すれば、維持管理費が必要になる。
人口は着実に減っているのに、未来の若者にツケを回している。

いずれにしても、バブルは終わる。
そこからが、私たちの出番のような気がする。

それまで、色々な地域で取組をやり、スキルを上げて行こうと思っている。

■ 賭博  2016/03/10

野球賭博で、選手が1人で謝罪する。

オーナーは辞任、社長の謝罪会見は棒読み・・・
某球団の人気がなくなる訳である。

シャープの破たんや、戦争の本質は同じである。
指導者の無責任体質だ。

無能な指導者がどの業界も牛耳り、
中間管理職が苦しみ、それを部下は見て、平社員を望む。
向上心を持たずに現状維持を選ぶ。

それを子供たちが見て、親に憧れを持つか?

農業も一緒である。
農業は儲からない、大変だ〜と子供たちに愚痴を言って、
それで、後継者がいないとぼやき、行政や農協は責任を転嫁する。

変えないといけないのは、自分自身の考え方である。
考え方が変われば、行動が変わり、結果が変わるから。

人生が最大の博打なのに、そんな事をやる暇はないはずである。


■ コンサルという仕事  2016/03/06

私の仕事の進め方は、現場で実践的に仕事を進める。

最近感じる事は、意識の高い人は相談に来ない。
中途半端な人は、自分の都合良いように解釈して、
本質を理解しようとはしない。

そして、意識が低い人には、分かってもらえない・・・

結局絵に描いて餅を指導する方が楽で、良いのだと感じる。
それでも形にしない限り、当事者が変わる事はない。

百聞は一見にしかずというが、それでもぶつかる。
私たちはお客様を見て仕事をする。
生産者は好きか嫌いかで判断する場合が多い。

売れれば、態度が変わるのであるが、
商品が美味しくない限り、次へは続かないのである。

難しい割には、地味なので認めてもらえる事は少ない。

■ 思い込み  2016/03/05

先日、愛媛のみかん農家さんに伺った。

県の方にも来ていただき、みかんの細かな説明をしていただいた。
ジュースも品種ごとにあり、飲み比べをした。

関係者は、甘味や、酸味など詳しく話しをするが、
私たちは、どれを飲んでも美味しかった。

消費者目線は断然私たちの方である。
こうやって、お客様は飲み比べる場面は考えにくい。

みかんの関係者に、りんごの話しをしたら、
全くの無知であった。

業界に閉じこもって仕事をしていると、
価値が分からなくなる。

自分たちの思い込み、消費者にとっては非常識だったりする。
気を付けないと!

■ 後継者  2016/03/03

中小企業の経営者が、自分の代で会社を閉じるといっている人が半分だという事だ。

農家の後継者不足が問題になっているが、日本全体が深刻な状況である。
TPPも含め、日本が力を入れなければならないのは、モノづくりである。

収益や、人材が大企業や役所に流れ、気付けば足元は砂の基礎のようである。
大企業も中小企業がなければ、成り立たない事は誰でも分かる。

今話題のシャープを見ていて感じる事は、
どうにもならなくなって、物事が動き出す。
結果的に大きな損出が出て、優秀な人材が退職してしまう。
そして、外国資本に美味しい所を持って行かれる。

国も、経営者も含め、判断が遅い事が戦争や、震災を見ていて思う事である。
何が一番足りないのか、結局戦略であり、志である。

■ 映画  2016/03/02

先日、東野圭吾原作の、天空の蜂という映画を観た。
日本の社会を鋭く風刺した内容であった。

原発・兵器・家族・社会など現在の日本の在り方を問うている。

結論は日本の一番の問題は、無関心(他人事)だという事である。
自給率が低くても、安ければ良いと外国産の野菜や肉を買う。
ヨーロッパでは、各国が自国の作物を保護して、
消費者は高くても自国の物を買うという文化がある。

アメリカ型の変な合理主義に染まった日本では、
大手に都合が良いように、ルールが変更されて行く。
そして、誰も声を上げようとはしない。

長い物には巻かれる・・・ 長い物が間違っていない事が前提である。
どうも、今の農政を含めた日本の在り方は間違っている気がする。

東野圭吾や、映画に携わった人たちも同じ事を感じているのだと思った。
裏を返すと、今だったらまだ変れる可能性があるという事でもある。

変る原動力は結局教育である・・・・ 

■ 人口減  2016/02/27

国勢調査の速報が出て、本格的な人口減の社会となった。

特に生産人口の減少が目立つ事の大きな問題がある。
ユニクロの柳井氏が移民を入れなければ国が亡ぶといっている。
私はそうは思わない。

高度成長型の経済発展を追うのであれば、それが必要になる。
先進例はアメリカであるが、あんな国になりたいとは思わない。

常に誰かを犠牲にして、一部の人たちの豊かさを追いかける社会が本当に豊なのか?
過度な不安を煽り、経済対策という道路や箱物を作って、
更に不安になる・・・

そんな事より、寝食が確保されればそれでしあわせではないか。
そうやって何千年も人間は生きて来たのである。

定年になり、畑を耕し、本でも読み、近所の人たちと井戸端会議をして。
それで1年が過ぎて行く、病気になった時に医者に掛かれる程度のお金があれば良い。

こんな生活をしていたら、病にもならない。

社会は変わる、それを受け入れる覚悟があれば、そんなに悪い事ではない。
ネガティブに人口減を煽ると得をする人がいるのかも・・・

■ 事務所  2016/02/19

今の事務所が、3月末で退去が決まっている。

そして、事務所を探すが良い物件がない。
10坪以下の事務所の物件が極端に少ない。

また、1ルームのようなマンションを事務所で貸そうとする大家が殆どいない。
床に傷が付くとか、人の出入りがどうのと色々理由を付けて断って来る。

東京や埼玉で事務所を探す時にこんなに困った事はなかった。
空き部屋は沢山あるのに・・・

これでは、創業支援やら行政が色々やっても、地域社会がそれを受け入れる環境がないのである。

出る杭は打たれる・・・
農業者の方にはいつも言っているが、肌で感じた瞬間であった。

これでは、チャレンジスピリッツを持っている若者は結局東京に向ってしまう。

■ 産直  2016/02/16

現在の産直の数は、25,000箇所といわれている。
2006年には、16,000程度だった。

売上は平均7,000万円あったものが、4,000万円台まで下がっている。
JAや第三セクターの運営する、大型店舗は客数も売上も伸ばしている。
反面、中・小規模なところは、大幅に売上を落としているところが多い。

結果的に、当番制度が負担となり、止める生産者も多くなって来ている。
地域を元気にする産直のはずが、急激な売上減という状況になり、
高齢化も追い打ちをかけ崩壊の寸前に来ている。

1つの産直ではやれる事は限られる。もっと広域で全体の事をデザインする必要がある。
本来日本人は、農耕民族であり、全体で地域を考えていたはずが、
狩猟民族の文化が浸透してしまったようである。

限界集落、カウントダウンが始まっている。


■ 新規就農  2016/02/14

各地で新規就農の説明会が開かれている。

沢山の費用を掛け、受け入れ先には沢山の補助金を付ける・・・結局税金である。
現場の事業者に聴くと、10人来て、1人残れば良いという返事であった。
非常に効率が悪い。

現在は待ったなしである。
今後は、55歳以上の就農が現実的である。
定年を控え、年金の受給額は下がり、受給年齢は上がる一方である。

55歳から準備をして、60歳で就農しても、現在の農業現場の平均年齢を考えれば
15年は戦力として活躍出来る。

また、収入もあり、社会との繋がりが保てるため、精神的な面もカバー出来るのである。
確立が低い新規就農より、こういったセカンドライフとしての就農の整備こそが、
これからの農業を支えると考えられる。

いずれにしても、消費現場の教育も必要ではある。
それには、省庁の都合ではなく、国民目線の数字を出してほしい。

■ 高齢化  2016/02/12

農業者に対してのコンサル業務が増えている。

現場で気になる事は、農業者の超高齢化である。
ある日突然、生産出来ませんという日が来るのではないかと不安に思う。

今回伺っている地域でも、30人の女性グループのうち、
5名が高齢のため、来年からは参加出来ないと話しがあったそうだ。

農業の現場は待ったなしである。
大型化、効率化も良いが、その前に農家が誇りを取り戻す活動が重要である。

即効性はないが、教育が重要となる。
この仕事をやっていて、虚しさを感じる瞬間でもある。

とはいっても、やれる事を坦々とやって行く、
素晴らし日本の農業の少しでも役に立てばと思う。

これからの農業の担い手は、55歳以降のようである。

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